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30年眠りの本

2018-06-13

先日の積読していた本の20年ぶりの精読は、高橋是清がもっと生きていたら、あるいは是清みたいな政治家が今の日本にいたら、日本の国と私たちの生活はもっと違うものになっていたかもしれないと感じさせられる内容でした。

同じ頃というより、その本より以前に入手して積読している本が他に数冊あります。その内の一冊は30年程前に買っていたもので、山口瞳の「居酒屋兆治」(1982年新潮社発行)です。本のページをめくってみると、裏表紙裏に「1986.10.15 新潟にて」と記していました。

それを見て、上越新幹線の開通から程なくした頃の現役時代に、会議のため初めて新潟に出張したことがあり、往きの新幹線の車窓に広がる外の景色を眺めては、「よくまあ、こんな田舎まで、角さん(田中角栄)は新幹線を通したものだ。(彼の)政治力がすごい !」と率直に感じた記憶が蘇りました。

しかし、本の入手については全然頭にありません。本が発刊された翌年の1983年には高倉健主演で映画化されていますので、先に映画を観て、当時、現地の書店を覘いて購い、帰りの新幹線や東京からの飛行機の中で一回は目を通していると思うのですが。あるいは、本の外箱の表紙に山藤章二が描いた高倉健の似顔絵を眺めていただけかな、と、すっかり記憶は飛んでしまっています。