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読みそびれていた本

2019-01-25

川原慶賀が長崎人で出島出入り絵師として特にシーボルトに気に入られ、精細な動植物の写生図や、また「唐館絵巻」などを描いたことは知っていたが、先日、書棚を覘いていたら、長崎関係の本の中に「シーボルトの眼 出島絵師 川原慶賀」(ねじめ正一著 集英社発行)を見つけました。

本の奥付を見ると、2004年5月30日第一刷発行と記してあり、今から15年前に出版されたものです。あまり読んだ記憶がなくて目次をめくると、「紅毛交接図」から「出島蘭人俄芝居図」、「阿蘭陀人持渡駱駝図」などと続き、最後は長崎半島の野母崎にあり大仏建立で知られる行基によって創建された曹洞宗観音寺の「観音寺天井花卉図」の、12『図』についての物語で、慶賀の半生が綴られています。

まだ、読み終えていませんが、葛飾北斎やその娘・応為が登場したりして面白く、なんで今まで放っておいたのかと思ったり、今読むから面白いのかななどと考えたりしながら読んでいます。

 

「シーボルトの目 出島絵師 川原慶賀」(ねじめ正一著 集英社出版)