分け入っても分け入っても青い山
2014-08-07
種田山頭火の俳句「分け入っても分け入っても青い山」は、大正15年4月山頭火45歳の時、全国行脚の旅に出た時に詠んだ句で、山頭火の俳句の中でも有名なものの一つです。
詠われている山は青々とした美しい夏の山を連想し清々しさを感じますが、単に美しいだけではなく道なき道を歩き続ける険しい道中、行けども行けども青い山は続きなかなか目的地に届かない思いと、旅の中に人生を模索し続ける山頭火は自らの歩みを重ね合わせたのではないでしょうか。
当館では、小崎侃先生がこの俳句をモチーフに描いた作品を展示紹介しています。一つは宮崎高千穂郷をイメージして制作され朝日新聞でも紹介のあった版画で、侃先生を代表する作品です。もう一つは、山々が連なる上に輝く三日月がうっすらと足元を照らしてくれる中、木々が生い茂る険しい道を行脚している様子が描かれた小サイズの版画で、こちらも人気があります。
ご覧になる際には、山頭火や侃先生の込めた思いも一緒に感じて頂ければと思います。(N)
小崎侃「分け入っても分け入っても」 | 同じく |